LBCOINプロジェクトで得られた知見をもとに「デジタルユーロプロジェクト」の調査フェーズでその実行可能性を検討

Symbolユースケース

すでにこのニュースについては、NEMラテンアメリカのペドロさんや、トレストさんなどがつぶやかれていましたのでお目にされた方も多いかと思います。

LBCOINとは…CoinPost

この記事は、2021年7月21日にリトアニア中央銀行のサイトに掲載されたものです。記事のタイトルは、

「Experience gained through the LBCOIN project used to study the feasibility of a digital euro」です。

日本語にするのであれば、
「LBCOINプロジェクトで得られた知見をもとに、デジタルユーロの実行可能性を検討」でしょうか。

「feasibility study」とは、一言で表すのならば「実行可能性の検討」です。

一般的には、新規事業などのプロジェクトを計画立案する際に、その実行可能性や採算性。技術的な要因。プロジェクトに関係する政治ポリシーや法制度、各種規制。もちろん業界の動向や、ほかの同種のプロジェクトの状況も含めて具体的に調査をすることでしょう。

なので僕は、「デジタルユーロの研究に、リトアニア中央銀行がLBCOINプロジェクトで得た経験が活かされているよ」と理解しました。

LBコインは、世界初の中央銀行による分散型台帳技術を使用したデジタルマネーの発行事例です。LBコインはコレクターコインとして作られ、いわゆる「通貨」としての使用を目的としたものではありませんでしたが、希望すればLBコインは実物の銀貨と交換できるものであり、何より”NEMのNIS1ブロックチェーンを使用したこと”は紛れもない事実であり、衝撃的な事でした。

では以下の日本語訳をご覧ください

LBCOINプロジェクトで得られた知見をもとに、デジタルユーロの実行可能性を検討
2021年7月27日


1年前に世界初となったデジタルコレクターコイン「LBCOIN」を発行したリトアニア中央銀行は、このプロジェクトで得られた知見を、デジタルユーロの実行可能性の検討に活かしました。

リトアニア中央銀行の理事であるマリウス・ユルギラス氏は、次のように述べました
「今回の実験では、分散型の二層式決済エコシステムがデジタルユーロに活用できることがわかりました。このモデルはオープンで、かつ柔軟性が高く、また異なる決済技術を採用することで、より高い回復力と安全性を確保しています。このことはリトアニア中央銀行の専門的な知識により、どんな新しいシステムでもこのモデルに簡単に統合できることが示されました。」

昨年9月以降、ユーロシステムの中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関するハイレベルタスクフォースは、デジタルユーロ台帳、プライバシー確保とマネーロンダリング防止、デジタルユーロの流通制限、エンドユーザーのアクセスという4つの分野で実験を開始していました。そして先日7月14日に、欧州中央銀行(ECB)の総務理事会は、「デジタルユーロプロジェクト」の調査フェーズを開始することを決定しました。

フランス中央銀行を中心に、イタリア中央銀行、スペイン中央銀行、ルクセンブルグ中央銀行、ベルギー国立銀行、オーストリア国立銀行、そしてECB(欧州中央銀行)の専門家が参加したワーキンググループが実施した実験に、リトアニア銀行はその知見をもとに貢献しました。このグループは、デジタルユーロのハイブリッドモデルを研究し、中央集権的な決済システムと分散型の決済システムの相互作用について評価をしました。

LBCOINは、(NEMブロックチェーン技術に基づいて作成された)分散型台帳技術システムのひとつとして、実証実験デジタルユーロ決済システムに統合されました。リトアニア銀行はLBCOINシステムを通じて、実証実験プロジェクトに参加した他の中央銀行のデジタルユーロシステムへのデジタルユーロ取引を成功させました。一連の取引は、ユーロシステムが管理する集中型プラットフォームであるTARGET Instant Payment Settlement(TIPS)を通じて実行されました。

今回の実証実験では、サードパーティサービスプロバイダーが、集中型システムと分散型システムの両方への単一のアクセスポイントを介して、容易に決済エコシステムへアクセスできることが確認されました。これにより、デジタルユーロに関連するさまざまなサービス(口座や電子ウォレットの管理、決済の自動化など)を提供する道が開かれます。 

リトアニア中央銀行の専門家は、デジタルユーロタスクフォースに常時参加しており、リトアニア中央銀行の取締役であるマリウス・ユルギラス氏は、国際決済銀行の中央銀行デジタル通貨ワーキンググループの議長を務めています。

LBCOINのその後が見えてきました。NEMについては、この記事では「NEMブロックチェーン技術に基づいて作成された分散型台帳技術システム」と触れられているのみですが、「作成発行して終わり」ではなく、その経験や知識がこのように活かされているというのは素晴らしいことではないかと思います。

また、この記事にはフランス中央銀行による次のプレスリリース記事のリンクも貼られていましたので、そちらも一緒に日本語訳を載せさせていただきます

デジタルユーロ
2020年9月、ユーロシステムの「中央銀行デジタル通貨に関するハイレベル・タスクフォース」は、「デジタルユーロに関する報告書」で判明した方法の選択肢について、技術的な実現可能性を評価し、さらなる洞察を得ることを目的として、デジタルユーロの実験的な作業を開始しました。

ユーロ圏の各国中央銀行とECBの専門家がこの実験に参加し、実験は4つのワークストリームに分類されました。これらのワークストリームでは、デジタルユーロ台帳、プライバシー確保とマネーロンダリング防止(AML-CFT)、デジタルユーロの流通制限、エンドユーザーのアクセスという4つの主要分野をカバーするさまざまな設計上の特徴が評価されました。その目的は、「デジタル・ユーロに関する報告書」で残されていた設計上の重要な問題に取り組むことでした。実験は学際的な環境で行われ、学術界や民間企業からの参加者もありましたが、特定の技術的ソリューションを推奨するものではありませんでした。

フランス中央銀行はこれらの実験に積極的に寄与しました。特にワークストリームのひとつである、「既存のシステム(従来の中央集権型台帳)と分散型台帳技術(DLT)などの新しい技術を組み合わせて、階層的なアプローチを行う実験」に焦点を当てました。この方法は、中央銀行がデジタルユーロを発行して第1階層の仲介者に提供し、仲介者はデジタルユーロを第2階層であるエンドユーザーに配布するという形です。

全体として今回の実験では、デジタルユーロの設計構造としては、このような階層型モデルが適していることが明らかになりました。技術的な観点からは、中央集権型と分散型のシステムを組み合わせることで様々なユースケースに対応でき、銀行間決済やクロスボーダー決済に中央銀行のデジタル通貨を使用するなど、将来のデジタルユーロにおいて、さまざまな機能をサポートすることが可能であることが実証されました。

さらに、この階層型モデルアプローチにはいくつかの利点があります。まずは、オープンアーキテクチャを用いていることから、新しいプラットフォームを第2階層で受け入れることができ、その過程において斬新かつ革新的な機能を追加することができます。また、柔軟性のある設計により、特定の国の既存の規制を反映させたり、特定のユースケース(例:金融包摂の促進、非居住者)に合わせて、各プラットフォームに異なるルール(AML-CFT要件、制限)を適用することができます。そして最後にこの階層型モデルは、民間団体が担うであろう様々な役割(デジタルユーロの配布、顧客インターフェースの管理、規制遵守、付加価値サービスの開発、およびシステムの一部のコンポーネント運用) を想定して、民間団体の高度な関与を可能にします。

この実験で各国中央銀行が行った作業は、総務理事会が2021年7月14日に開始することを決定した「デジタルユーロプロジェクト」の調査フェーズにおいて、潜在的なデジタルユーロの設計に関するユーロシステムの政策議論と意思決定を支援することを目的としています。

フランス中央銀行のプレスリリースでは、NEMやSymbolといった名称は登場しませんが、いかがです? 僕は特に階層型モデルについては、Symbolブロックチェーンの機能そのものといった印象を持ちました。

何れにしてもこれはまだ実証実験段階です。Symbolブロックチェーンに限らず、優れたブロックチェーンは数多く存在し、日々研究開発が進んでいます。

そしてブロックチェーンを利用するのは、個人であったり企業、そしてこのような例であれば中央銀行。もしかしたら行政、政府です。使うのは「利用者」です。「開発者が作ったブロックチェーン」を「利用者」がその利用目的に応じて選ぶ。それが自然でしょう。

その選択肢のひとつとして「Symbolブロックチェーン」が選ばれ、様々なユースケースとして利用されるよう願っています。

ちなみにこのデジタルユーロの実験にはTezosも関わっている模様

そしてこのフランス中銀のプレスリリースに、「Digital Euro experiment Combined feasibility – Tiered model」というタイトルのpdfが添付されていました。
「デジタルユーロ実験 複合的な実現可能性 – 階層型モデル」ってとこですかね。

そのpdfの中にはこのような記述が


「Two distributed ledgers (a private fork of the Tezos blockchain and a customized fork of the NEM blockchain) enabled the implementation of a value-based Tier 2 system.」

「2つの分散型台帳(TezosブロックチェーンのプライベートフォークとNEMブロックチェーンのカスタマイズフォーク)により、価値に基づいた第二層システムの導入が可能になった」

第二層は価値の交換を担う層ってとこでしょうかね。

そしてそこにTezosブロックチェーンのプライベートフォークとともに使われているNEMブロックチェーンのカスタマイズフォーク、それはSymbolブロックチェーンのことなのでしょうか?
それともdHealthのようにSymbolブロックチェーンを基にしたコンソーシアム型ブロックチェーンのようなものなのでしょうか?

それ以上のことについたは明確に書かれてはいませんので、残念ながら憶測の域を出ませんが、期待はしてしまいますね。

さすがはトレストさん、隅々まで目を通されてますね。

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